バタフライ/坂本瞳子
 
蝶の羽は燃えていた

太陽を目指して
はためかせていた羽に
火が点り
それでも高みを目指して
羽ばたかせた羽は
燻って
火の粉を撒き散らして

朽ちていきながらも
力のあらん限り
火の中へと舞い上がろうと

海面を目指して
もがき苦しむ人魚のごとく

その姿はそれはそれで美しく
ただ眺めていた
私はそこでいつまでも
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