あなたと私は同じかもしれないという妄想。/アビ太郎
 
他人の中に自分を勝手に見出して、あなたと私はこんなにも近しい存在なんだよとか押し付けていく。
その重みが自分を苦しめていっていることに少しも気付くことなく、それが幸せの形なのだろうなとか想像していく。

だけど、よくよく知っていけば共通項は実は違った形のものであり、本質的には分かり合えないんだなと実感した時に、逆恨みをしてしまう。突き離されたように思えてくる。

相手は初めから何も変わっていないのに、ずっとそのままの形でい続けているのに、自分が勝手に見たいように見ていただけに過ぎないのに。

結局は自分は孤独で、誰とも心からは理解し合えない存在なんだと苦しくなって、もうシリアスでさえも喉を通らなくなって泣けてくる。

勝手に信じて、勝手に絶望して、私は1人だなんて吐き捨てて、何をしてるんだろなんて。


それぞれが、それぞれの道を歩いていて、たまに交わるポイントが訪れて並走して、また離れていく。

それが人生なんだから、あまり悩むなよ。
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