本当に凝固しているもの/ホロウ・シカエルボク
校のときに習った星座のことを思い出そうとしたが、なにひとつ思い出せなかった、それはずっと俺にとって不必要な事柄だったのだ―俺は星の名を知らない、とりあえず俺はそう結論づけた、それきり星にはどんな興味も抱くことはなかった、気温が冷えてきている気がした、それに伴って、土のにおいが強くなっている気がした、やがて雨が降り始めた、でもそれは普通の雨粒とは少し違っていた、血だ、と俺は思った、血が降っているのだ…どこかから―すべての空から降っているのではなかった、それは明らかに、どこかある一点から…ふいに、なにかが整合性を失くす音がして、オイルが流れるようにのんびりと、新しい死体が穴の中に流れ込んできた、それは死体と呼ぶに相応しいにおいと質感を持っていた、長袖のシャツとデニムというシンプルな服装は、俺が好んで着るものにも似ていた、そう、そいつは俺であり―俺は自嘲的に考えた、あまりにも予定調和に思えたからだ―おそらくは俺のベッドと化しているこのぶつ切りの連中も、きっと……夜が白く変わりはじめようとしていた、すべてのものが太陽の光に晒されるとき、俺はどんな結論を目にすることになるのだろう―?
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