いつでもおかえり/
そらの珊瑚
夢の中だったのかもしれない
いつでもおかえり、と
声だけ聴こえた
或いは現実だったのかもしれない
耳の底の小部屋にそれは
棲みついた
文字にすれば水彩
いつでもおかえり
いつ帰っても
おかえりと言ってあげる
それとも
いつだってここからかえっていいのだよ、と
いうことなのだろうか
冬が両手をあげて
雪の骨が降るのを待っている
いつでもおかえり
そして
ただいま
自由で
ゆるされていて
悲しみに凍えながら
みんな、ひとり
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