柔らかな感触の骨と身/
こたきひろし
誰かが遠くからしきりに名前を呼んでいるような
気がした
その時
彼は腹部に激痛を感じてその場に倒れこんだ
邪魔なんだよテメエ!
知らない男だった
一声怒鳴って不敵な笑いを浮かべた
その後は人混みに紛れて消えた
女性の悲鳴が上がり
倒れて苦しみもがいている彼の周りに人だかりが
出来た
彼は自分に何が起きたか理解できなかった
ただ空虚な思いからは
いっぺんに解放された
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