あらかじめ失われたもののように/シャドウ ウィックフェロー
 

日にち薬はまるで効かない
河原でいくら小石を積んでも
崩れるまでの束の間のプラシーボ
むしろ崩れることこそカタルシス
時は化粧を拭いさり
肉を剥ぎとって
その骨格を顕にする


めくるめく悔いの中で
あのとき言わなかった
言えなかった言葉たちが渦巻き
あのときしなかった
できなかった行為らが駆巡る
しかし伝えられなかった思いも愛なら
発せられなかった声もまた歌だろう


起こらなかったことも歴史だと
取り返しのつかないものたちが
それを確認するように
くり返し跡をなぞっていく
まるで焦がれる思いが
恋い焦がれることで
満たされていくかのように

憧れが憧れることによって
もはや実現されているかのように






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