失 題 (その二)/信天翁
 
   灰色の冷気が 幸福な耳翼を 切る

白い救急車が 愁いを 告げて 突っ走る

 わが家の黒い柱が ひび割れを 見せる


       街はずれの 冬の田んぼに

       鴉が一羽 突っ立っている

      まるで 老爺の俺様のように



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