未知との遭遇/坂本瞳子
 
水色をした空気の塊が
目の前を飛んでいく

それはまるでクラゲのようで
触れてはいけないのだと
言わずもがな

冷気を振りまいて
雨を降らせるでもなく
笑顔を残しもしない

目的などあるのだろうか
音をたてるでもなく
ただ風の吹くままのような

電信柱にぶつかろうとも
すり抜けるようにあちら側へ

なんと不敵な
なんとも不気味な
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