ある絵描きのソネット/ただのみきや
 
絵が燃える
赤から青まで
喚き散らした
正午前
光に煽られながら
藍を飲み続けた男の
破裂した臓腑
なにくわぬ顔で
かなぐり捨てた
表現の破廉恥
技巧のあざとさ
素描する死の
白濁した画布に
深く濃い光




     《ある絵描きのソネット:2018年1月6日》






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