土の魚/ただのみきや
 
した
純粋さへ
  練られながら
    くたびれ果て
      強度への
        下地は培われた


土で造られた魚は
水の中からではなく
火の中からやって来た
腹からでも卵からでもなく
想像と創造の力から生まれ出た
だから夢の中で出会うような
時を止めた青い輝きで
静かに語りかけたのだろう
幼子の魂へ 原初の海へ


魚よ 土塊から生まれ
土塊へと還る 魚よ
これら神の真似事を愛する人々をどうか
猿の子孫とは呼ばないで
その呼び名は
猿の真似事を好む人々へ




                《土の魚:2017年12月30日》












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