終わり ひとり/木立 悟
 



誤って創られた神の子と
大きくなれない神の子が
壊れた音の降るさまを見ている


夜の鳥は鳴いて
曲がり角は遠い
より暗い地へ
掲げられる腕


触れる前にうたは消え
雪より高くよみがえり
雪より高く遠去かる  


築かれ 壊れ
消えてゆく塔
夜は鳴る
夜は鳴る


ふたりから降り
ふたりから降り
ひとりになる
ほんの少し 重い背中


氷水と手のひらのはざまに
計りの針は激しく動き
とこしえと無を行き来する


問いのかたちの祝祭が
白と黒に貼り付いている
迷路の奥に居る獣
花を見たことのない獣


終わりのうたが昇るたび
水と光は混じりあい
曇を小さく分けながら
灯りの無い地を照らしゆく















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