無題/◇レキ
 




こんなに明るい朝日が笑う

時を瓦解させるほど
苦しみは心握りつぶす強さで

止まらない日々を忘れた夜明けに
世界はこれほど美しかったと知る





当たり前な今日がある事が
どれほど幸せなことか

叱責してくれる過去があることが
どれほど幸せなことか

焦がされる未知があることが
どれほど幸せなことか

思うほどに儚い
単純な強情さを持つ哀しみそのものを
忘れないように

朝日に透明な心を透かす






空っぽと
変わらない乏しさは
掴めないまま慣れすぎたから
忘れた
気付けばこんなに寒い

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