無題/◇レキ
 




落ちた僕らの煌めきを
吸って静かに樹が生える

土に染み込む苦しみを
滋養にわさわさ葉が茂る

霧にたゆたう寂しさに
あてがうように実を付ける

泣いてるわけじゃ ないの
泣いてるのは 君かなあ なんて
ほとほと落ちる 毎日落ちる
肌色の実を


鳥や虫や獣と
共に拾うの

僕ら



さりげなく
轟々と生きる樹々の
転生を頂く僕らがいる

燃えながら
ちりちりと生きる僕らの
儚い虚しさを喰らう樹々がある





  日々



嘘と無さしかないこの世界に
訴え続ける一人の眼差しがある

どんな
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