少年/葉leaf
 
き消され
幼い悩みが深淵へ消えていった
絶対的な青春が徐々に解体され
他者や社会が自我と関連付けられていく
少年は青春を殺せなかった
青春は何度でもよみがえってくるのだった

少年は老衰した
老衰して青年になった
柔軟な倫理と臨機応変な身のこなしで
他者や社会という無限の存在と
折り合いをつけていく
絶対的なものはどこにもなかった
ただ無限なものはいくらでもあった
青年の人生の有限性に比べ
世界はあまりにも無限だった
青年は無限を前にひざまずいた

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