少年/葉leaf
少年は旅立つ前に
一人の少女を殺した
少年自身である一人の美しい少女を
少年は少女の亡骸とともに旅立つ
世界には絶対的な何かがあると
少年は信じている
絶対的な何かはどこにでも存在し
少年はそのヴァリエーションをなるたけ多く集めようと思っているのだ
少年の肌はとても白い
少年は大人になりたくなかった
大人になるのは有限な人生に取り込まれることだ
有限な人生の必然的な成熟
幼いままであることが
開かれてあることで
深さを持つことだった
だから彼は二十歳になった日に泣いた
死へ至る涙だった
少年は青春という自我の混迷に巻き込まれる
幼い言葉が虚空にかき消
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