落ちたりんごを拾うように (2017)/AB(なかほど)
 
転がっていた

君の笑顔のほとんどが作り物であることとその理由を話してくれたとき
そこには
そこには僕が知る限りで最も美しい笑顔らしい笑顔が滲んでいた

やがて僕の描く齧りかけの林檎はすっかり色を無くしてしまい
ただの林檎
   にもなれない}


? 落ちたりんごを拾うように

{引用=落ちたりんごを拾うように
貝殻を拾うように
首を少しかしげてからすくめるように
泣きながら寝るように
紅いほっぺたのように

文学なんてなかったころの
哲学なんて呼ばないころの
夜に怯えてぎゅってしていたかっただけの
そんな言葉を探している

落ちたりんごを拾うよ
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