あしもとの小石を拾い上げること/ホロウ・シカエルボク
ニュースにならなければ
かなしいことなんてなにもないのさ
みんなクリスマスの支度にあくせくしながら
知り合いと酒を飲んで大笑いするだけさ
手の届かない話ばかり
そこにはなんの責任も背負うことがないからさ
そうだぜ、募金を愛だという気持ちがあるのなら
そんな気持ちはもっと
現実的なことに使われたっていいはずさ
みんなそんなことに関心なんか少しもありはしないくせに
いかにもな顔をして語り続けるのさ
幸せなことが後ろめたいのかい
飽食を雄弁に語っているみたいな
水風船みたいな自分の身体が恥ずかしいんだろう
すぐそばのことに目を向けるの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)