君と僕を巡る、/狩心
巡るけど、
言葉にならない
眼差しはぼーっと宙を見据えている
暗闇から迎えに現れるバス
これから家に戻るけど
僕はこの町にも、人々にも、
溶け込めそうにない
君のいない家にいる時、
僕は蝉の抜け殻
家事も仕事も夢もお金も芸術的センスも感情も感動も全部
部屋の外のベランダに積み上げて
何一つ
整理できない
目を閉じると
二人は老人になっていて
僕は君をおんぶして
丘の上で日の出を迎え入れる
君は僕をぎゅっと抱きしめて
今の匂いをかぐ
それを
背中と首筋で感じ取って
僕は
君と共に
光に
満
ち
て
戻る 編 削 Point(3)