都会の朝、電車の中で/坂本瞳子
 
満員というほどではない
そこそこ混んでいる電車の中
ノートパソコンを膝の上に置いて
詩を書いてみたりする

帳面を膝の上に置いて書くのが常だったという
我が詩の神様を思い浮かべて

差し込む朝陽が眩しい座席
冷たい空気が漂う車内
スマホをいじる人たち
都会の喧騒は尽きることなく
それでも心地良さを覚えるのは
久しぶりだからだろうか

目的駅はまだもう少し先だけれど
そろそろ珈琲が欲しい
戻る   Point(0)