ある夜の恋人たち。/
愛心
夜、貴方が明るい空を見上げて
「月が綺麗ですね」なんて言うから
「わたし、死んでもいいわ」と
有名な文句で返すの。
そしたら、貴方ったら
「お前がいない生活は有り得ない」
なんて、本気な顔して言うから
「あたしを離さないでね」と
触れていた指先を、強く絡めて。
唇を擦り合わせたわ。
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