迷路/ただのみきや
く日々
憧れと不安
引き回され追い立てられ
行き止まっては来た道に戻りグルグルと
次の二十数年は
スタートとゴールを一直線に太く繋いだ道
まっすぐで迷いも何もない
大きな声で歌いながら歩いていた
殉教者に憧れながら
そうして今わたしは
再び迷路を往く
複雑怪奇
自作自演の
グチャグチャにしか見えなくても
わたしだけが知っている
この迷路は通じているのだ
恐ろしいほど確実に
人生の前半 生の盛りの前
人は生きて往くことに不安を感じるという
そして盛りの山を越えると
今度は老いと死に不安を持つという
わたしは生にも死にもさして不
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