太陽は病んでいる/ただのみきや
 
き回した弾丸か
鈍色の違和が
ゆっくりと
暗黙に溶けて広がって往く
いつもの左右踵の高さの違う靴を前に
ある日スッパリ三分の一
思考が切り取られ宙から闇が入る 
頭上で風呂敷が結ばれたみたいに
剣山の上に立たされて
花鋏で切り落とされる
野の花のようだと自分を思うそんな
薄気味悪い眼差しが
後から後から糸を引いていた
今朝やたらとエゾリスが
木々を駆け下り駆け上る
太陽は白くぼやけていて
サナトリウムの時計




        《太陽は病んでいる:2017年12月2日》









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