太陽は病んでいる/ただのみきや
口紅をつけた
自分のか誰のかわからない血の赤
すると足元が浮ついて
堕ちた天使のよう爪先で滑るから
慎ましく知的 胸元に
悶えに悶えた腹を割いて取り出した
真珠ひとつ
それでも世界は殺風景で
視線は蝶のように賽の河原をさまよった
だから背中一面
極彩色のタトゥー鳥や蛇やカエル
密林のネオン 窓のない顔
拷問台の上のファッションショー
満足? ――否 まだ足りない!
影の境の曖昧をナイフで傷つけて
待つ――凝固して濁るのを
鏡を覗くといつも後姿が映った
放り上げたピーナッツは口の中――運命は
砒素を固めた宝石それとも
抜いたばかりの他人の奥歯
誰かの脳を掻き回
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