甘い甘え/opus
その場を離れる
座っていたベンチに朝がこびりつく
臭い
汚い
煩い
黄ばんだ歯が剥き出されて
音のない声が叫ばれる
無駄な筋肉が
無駄な抵抗を与える
「生きる価値なんてない
そんなのわかっているから
あえて言うよ
死にたい」
きっとそんな奴が世の中溢れかえってる
俺もそんな奴が嫌いだから
死ねばいいと思ってる
楽しいことなんてしたくない
悲しいことなんてなおさらだ
(本当に?)
それでも無様に君を好いて
ほんとゴメンと息を吐く
無様に取り繕って
無様に今日を生きる
子供達の笑い声が聞こえる
ああ、なんて無様なんだろう
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