自分宛て/しょだまさし
 
ますので
お願いします
尚この手紙は母に預けます

14歳の私より
大人になった自分へ』


今朝この手紙を
後で読み上げなさいと言う
母から受け取ったけれど
書いたこともその内容も
思い出せなかった

そして今
母と父を目の前にして
涙のせいで何度も
つかえながら
読み上げている私は
ウェディングドレス姿で
招待客に祝福されている

読み終えた私は
差出人へ返信した
心の中でたった一言
「ありがとう
14歳の私」
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