飛行機の夢/岡部淳太郎
 

ポットの水もお湯に変り
目醒めのために煙草に火を点ける
曇った窓の外は晴れ渡った空だ
そんな 夢のような
まぼろしの生活だった

目醒めて
外に出て
空を見上げると
飛行機が飛んでいた
滑空する
雲の上の翼
そんな 夢を明け方に見たことを思い出す
私はただ許されずに在る
何者にも罰されずに
ただ ここにたたずんで
空の中の
白い翼を見上げている



(二〇〇五年二月)
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