言葉の端/小太郎
 
大切な人への手紙は
必要以上に 重い部分をを伝えてしまうから
僕は二通の手紙を作ります
さらけ出す文を一通作って
あなたに出す二通目のほうには
一通目の表面だけを丹念に ひろいあつめ
恥ずかしくない言葉だけを 真剣に選び

だからあなたが受け取った手紙は 本当にシンプルなものだけど
その中に紛れ込んだ言葉の端を引っ張れば

想いが解れて いつかあなたを包むだろうと
幼い僕は そう考えていました

そう考えています
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