あなたという光/AquArium
どい偏食家で
毎回緊張した食事の時間
手酌をさせると不機嫌になり
乾杯の前に呑もうとする仕草や
熱々のご飯は食べられない猫舌
好きなメニューは先に食べ
嫌いなものは最後まで残す
しばらくの間使えなかった食材たち
人の記憶は不確かなもので
都合の良いようにしか覚えられない
頭の中のどれくらい深い場所に
2人の景色が眠っているのだろう
あなたという世界を探している
自尊心を傷つけられることに敏感な
強いエゴイズムの持ち主が
誰かのために泣いたり謝ったり
性に合わないことをした
承認欲求のかたまりを
これでもかと見せつけてきては
手加減できない本音を晒してしまった
大人の対応は恋愛にも必要ね
もう忘れてしまうのかもしれない
そんな怖さがくるたびに
確かなものを思い出そうとする
ラブレターやアルバムの奥に生きる
あなたという愛そのものを
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