ひっかき傷の陽気/
ふく
晴れた空に飛行機雲は良く似合う
それはひっかき傷なんかではなく
芸術的な一線だった
平行して烏が行く
気まぐれな夕の芸術は
烏がなぞりきるまで残ってはいなかった
何人見上げた?
私は7階から見ていた
一刻一刻、流れるたびに色を変える
建物、空、ひと
心に飛行機雲が飛ぶ
平行して烏
私の雪は晴れた
短い春の陽気が近づく
空の青に向かって
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