夢中に浮遊/坂本瞳子
 
眠たいのか
眠くはないのか
そんなことすら
もう分からなくなっている

どんなに腕を伸ばしても
指先に触れるものはなく
この身体は緩やかに堕ち続けている

右肩が地面に向けて引っ張られている
左足の第四趾はまだ天に向けられたまま

そんな感覚に苛まれ
いや
そんな感覚を楽しんでいる
夢見心地に
叫び声を上げてみようともせずに
かすれる声に期待して
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