道化師〜砂漠の夜に〜/島
叶わない夢があった
叶わない愛があった
雲間に射す月明かりに
旅を終えた道化師は
何を見たのだろう
年老いた深い皺には
いくつもの物語が刻まれ
ともし火はかすれ行く
月明かりは去った
砂漠の夜は道化師を包み込み
濃い蒼に溶かし始めた
雲は月明かり攫い始め
道化師は宙に語りかけた
「
私は私の人生に後悔している。
また、私は私の人生に満足している
私は私の人生の大半を
人に笑われる為に費やした。
雲よ。
お前に感謝したい
」
道化師が語り終えると
雲は月明かりを連れ去り、
砂漠の夜は深い蒼に包まれた
written by Shima
The original was written in 2006
rewrite in 2017
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