fall into winter/カワグチタケシ
のは聞いたことのない歌だ
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閉じた窓ガラスを震わせて
目覚し時計のアラーム音が
朝の街路に漏れ響く
駅へ向かう何人かは窓に目をやるが
目覚し時計の持ち主は目覚めない
カーテンを開くと
まず風が、それから白い光が入ってきた。
シャツを着替えて
集めた約束の束を置いて
光の中に入っていく
十一月から十二月、
秋から冬へ
光の中へ
まぶしい光の中へ
一歩を踏み出す
自分の後ろ姿を見ている
光は視界を満たし
あらゆる感覚が失われ
やがてすべてが光になり
まぶしさの記憶だけが
痛みとなって
深く大気に刻まれる
いずれ記憶さえも失われ
光だけになる
contains sample from N.Uehashi & mue
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