ひとつの憎しみが消えた朝/
葉leaf
ひとつの憎しみが消えた朝
俺は鎧をひとつ脱ぎ捨てた
鎧はきれいな音を立てて
軽やかな布に変わっていった
こうやって一つずつ
背負ってきたものに別れを告げる
新しく背負う重たい荷物が
旅先にはいくつも待っているから
ひとつの憎しみが消えた朝
俺は新しい歌を口ずさんでみる
たどたどしく追っていくメロディーに
憎しみの残土をのせていく
憎しみは消えても憎しみの痕は残る
その傷痕をなぞりながら
俺は誰かを思い出しそうになる
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