R.I.P./むぎのようこ
めとなき
かわいている
はなびらを
ひとひらずつめくっていた
ここにはもう
きせつがなくて
しずかにこだました
空洞。
ていねいにみのり
みなもいでは、
はがれるままの
ひかり、
さみしいから
呼吸をする君が
別の生きものみたいに、まぶしい
やわらかくて脆いこと
いとしみ
小さな
いかずちが
ぺりぺりと唇を矧いで
奪う、
ことば
君はしたたか
あきさめのむこうに
彩りを舌ですくっては
したたらせ
骨に沿ってしずかに濡らす
そらの
はれまを縫い合わせては
匿うひかり、
いつか
花束を放るように
なげだしても、わすれない
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