無題 2編/北井戸 あや子
明くる日の 朝がくる 日射しゆく 赤日か
月のなる 夜がある 星もなく せいぜいか?
轢く 人を轢く 出来るだけ粗く 出来る限りの
(岐路に立つ脚が沈みゆく真昼日の低空に私は僅かばかりの人生ーーとあるひとつの屈折に無意味と名を押し付けまた意識の回路を始終千切りあげたあの朔日ーーを棄てた)
季節もない 明けもない 拠辺ない
しかしある なにがある?
「 」
、、、
やつれた髪を見届ける
その物語を見届ける
凌辱の無作為を、抵抗の無意味を、太陽を描けない侘しさを、身を這い伝う宿り木の善良を
やつれた髪を指差して
無力だと言った
人々は口を合わせ
無力だと言った
まるで
己に巡る明日を当然のように
やつれた髪はやつれた髪のまま
今日も
ただそこにある
戻る 編 削 Point(2)