帰還/ひだかたけし
 
時間がゆったりと流れ
深まる秋の涼風が吹き抜けていく
僕は久々に落ち着き
この世界に居着いている

不思議だ

不思議だけれど
世界は今日、
僕という存在を包み込みながら
今一度の寛ぎと余白を与えてくれる気になったようだ

静かな時流に身を任せ
首筋の包帯を撫でながら
この先のことなど
珍しく再考している自分が居る

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