流時紋/ただのみきや
 
た手から
      また逃れ去る
一瞬も止まることを知らない舞踏が
              言葉に 
     影のように寄り添って

癒されないことは
時を殺し続けること
河底のなめらかな石を拾い上げ
――もの言わぬものを
   もの言うものに投げつければ
互いに痛みながら
    すこしだけ癒され
     すこしだけ傷を負う
  言葉を重ねることで
観察者の顔も摩耗して往く
           時のひと踊り
       むすんではほどけ




              《流時紋:2017年11月4日》

 







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