耐え切れず/
ただのみきや
胸の芯がゆるゆる融けて
濁った冷たさと澄んだ熱いものが
混じり合えず争っていた
揺れる 琴線の 綱渡り
まばたきばかりが早足で
なみなみと杯は晴天を仰ぐ
降らぬ雨を数えてか
真昼の螢を追いかけてか
ふるえながら彷徨いあてもなく
ああ 雨粒ひとつ
白い襟もと 影のように
軋むほど瞳かみ締め君は
《耐え切れず:2017年10月28日》
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