感触としての像/ひだかたけし
 
夢の奥でチカチカ瞬いているもの
柔軟で可塑的な生き物の浮遊する
その余韻に浸ったまま目が覚めた

    ◇ ◇

夢の奥、
瞬きを
チカチカする瞬きを
感触として察知した
それは絶えず姿形を変化させながら
チカチカチカチカ瞬いていた

それは一つの形象像だった
〈感触〉が眠りの暗い海から掬い取った
郷愁に充ちた何か だった

    ◆ ◆

夢の奥でチカチカ瞬いているもの
柔軟で可塑的な生き物の浮遊する
その余韻に浸ったまま目が覚めた





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