熱/水宮うみ
 

僕は、変われないと思っていた。
変われないことが、悲しかった。

僕は、変わった。変われた。変わってしまった。
それでもたまに、悲しいこともある。

変われないと思っていた僕の手を、今でも僕は握りしめている。
風邪をひいているみたいに、恋をしているみたいに熱を持っているその手を、僕は決して離したりしない。

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