うさぎのみみ/桜 葉一
 
もりがみどりいろになった
そらはあおいろだった
もりはいきいきとしていて
そらではとりのこえがきこえた
いっぴきのありが
せっせとなにかをはこんでいた
しょうじょがそれをおっていた
こんなにもそらがあおいのに
じめんをみてるのって
なんだかおかしい
しょうじょがぼくのあしにぶつかった
まえをみていないからさ
「ありさんはなにをはこんでいるの?」
じょうじょはぼくをみあげてきいた
「ごはんだよ」
「あそこでひらひらとんでいるのはなに?」
「ちょうちょだよ」
「あのとりはなに?」
「う〜んごめん、とりはよくわかんないんだ」
しょうじょはもりをみていた
「どうぶつはなにがすき?」
ぼくがきいた
「うさぎ……うさぎはどうしてみみがおおきいの?」
「きっとてきにたべられないようにするためだよ」
もりで
うさぎがそれをきいていた
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