ブリック・バイ・ブリック/ホロウ・シカエルボク
俺の細胞のひとつひとつには毒素があり、それが血に混じり体内組織を循環することで意味となる、通過した後の内壁は微量の劇薬に炙られたように荒れて、真白い泡を吹き上げる、それは流れに巻き込まれて同じように体内を巡り、到達した心臓の奥底で言葉へと変化する、脈動によって再び押し出され、感情のタイミングで発声器官から、あるいは指先から押し出される、録音機器によって記録され、あるいは、コンピューターのフォルダに押し込まれ、あるいは、ペンによって紙に書きつけられたそれは、たったひとつの言外の意味と変わり、導火線の先端のようなものになって浄化される…この一連の動作が綴られるのは往々にして真夜中に近い時間であり、
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