一職員/葉leaf
 
らの正義などいかほどの権力も持たない。組織において私は個人ではなく、主権は個人に存するのではなく、あくまで組織に存するのだ。

期日から逆算して仕事の手順を組み立てる。期日は現代における何かしら魔的な時間だ。魔術は古来から犯しがたいタブーを背負っていて、魔術をもとにまつりごとはなされていたが、現代においてもそれは期日という形で残されている。期日を必ず守らないと、不吉なことが一族郎党に降りかかるのだ。組織というものも畢竟祭祀的な空間にほかならない。

理は尽くされない。すべての理を尽くすのを待つほど社会は悠長ではない。それを理不尽という。社会はいつも気忙しく、焦っていて、余命がいくばくとないのだから、そこでは当然理の不徹底が生じる。社会の乱走に個人の足並みなど所詮ついていけないのだから、その速度の差に理不尽が宿るのは当然だ。個人はこの速度の差を埋めるために組織を作ったが、それでも未だに社会の怪走にはついていけない。

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