ジャンヌ・ダルクの築いたお城 少女Aとテントウムシ/田中修子
 
るザラメせんべいとか、透き通る宝石みたいな純つゆの飴おやつがいれてあるプラスチックの箱があった。
 
 いまは、小便と糞のにおいがする。

 「はよう死にとう。はよう死によう。もう食べられへん。喉のここまであがってきとるんや」

 ごめんね、本当にごめん。私にはどうしてあげることもできないの、おばあちゃん。勉強を拒否すると、あの女が私にこうわめいてくるんだよ。
 「修子ッ、アンタ勉強しないんだったらサッサとこの家から出てけ! あんたみたいなの社会じゃやってけないんだよッ! あたしのいうこと聞けなかったら、野垂れ死ぬだけだねぇ」「子どもは親のものなんだから、自由になりたかったら金払え」
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