無題/◇レキ
世界へつながる大穴が開いて
手を?んだら飲まれて心が腐った
心が腐れば
ケモノは生きるだろう、と
代弁者がただ不安を配り歩いて
代弁者はなぜ自分に穴をあけながら
人の心を泣かせたがるのだろうと聞いてみたら
生きることは美しいと言い続けていたいから、だそうだ
※
破滅の使者がやってきた
一時の虚無に食われて死ぬくらいなら
ずっと虚しいままに生きなさい
そういって使者は小5から始める
道徳の教科書を配りだした
世界は腐った そして生きた
ただ ひなひなとよどんだ水面を飛ぶ
糸トンボが鮮やかだった
※
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