中庸の歓喜/
ひだかたけし
憧れと郷愁の感情は
対象を全く欠いたままに
どうしようもなく湧きあがり
魂の奥処に垣間開く
渦巻く宇宙の輝きの余韻
響き木霊し流れ出す
そうしてまた、
森羅万象と繋がり合う
止めどもない嗚咽は
ひたすら歓喜に貫かれ
独り在ることの祝福を
輝きの木霊に刻印する
対極を生き体験し、
中庸を人が見い出すならば。
戻る
編
削
Point
(12)