平凡な詩/
ヒヤシンス
多摩南野に吹く風が透明度を増してゆく。
秋が季節の扉を開ける。
時の歩みに歩幅を揃えると、
あっという間に歳をとる。
嬉しい時、私は笑う。
悲しい時、私は泣く。
楽しい時、私は饒舌になる。
つまらない時、私は無口になる。
私は平凡な人間だ。
私には色気がない。
孤独かと言えばそうでもない。
秋の街並みに金木犀が匂っている。
平凡な人生を日々満喫している。
それで良いのだと自分に言い聞かせながら。
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