等身大の姿見鏡/松本 卓也
何になりたかったのか
何になれなかったのか
鏡に収めた卑屈顔
絵に描いた平凡な庶民
腹はずいぶん膨らんだ
白髪はだいたい3割越えか
隣で誰も眠ってやしないし
ゴミ屑ばかりが積まれてる
気を遣いたくないなんて
負け犬が吠える声よりも
どんだけ弱弱しいんだか
ああおっぱいとかもみたいな
ホントは寂しかったとか
ホントは悲しかったとか
言わずともバレているんだし
サボった報いを受けている
話題のゲームをやり過ぎて
煙草の量は五割増し
責任はいつも棚の向こう
笑い誤魔化し涙顔
誰をも傷つけたくないと
自分の傷には無頓着
いつかどこかできっとだれかが
いまだに期待しているだけ
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