アフリカの仮面の下で/ただのみきや
 
アフリカの仮面の下で夜が流れていた
どぶ川で切った足から火の霊が入ると
真っ赤なオタマジャクシが身動きできないほど
か細い血管を遡り小さな手足を生やして泡立った
新月と時計の針が向かい合う
押し黙ったまま酒を飲む男たちのように
薔薇のように内から捲れる痴態
隠すこともなく聖母たちは泣いた泣くことで
命をカラカラに注ぎ出し飲ませようとした
旅行者は異国の神のようにいつも遠くから
花のような悲しみを編んで日記に記す
誰もが鳩を抱くような年ごろのまま
カビの生えた心臓のままブロンズ像を残そうと
自分の姿がいつかの少年になる
褐色 今は雪のように白 もの云わぬ天使
だがその瞳
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