久しぶりの東京/zenyama太郎
 
東京には山がない
ビルばっかりだ
人ばっかりだ
やっとコーヒーショップに座った
目の前のガラスの向こう側を
ひっきりなしに人が通り過ぎていく
俺と無関係な人たちが通り過ぎていく
何時間眺めていても
俺と関係ある人とは一人も遇いそうにない
田舎にいると
遠くの親戚とか同じ学校の出身とか
何か関係のある人たちばかりだ
このような無関係な群れの中で過ごすのも
なかなかいいもんだ
何をやってもいいような気分になる
何か肩の力が抜けてとてもリラックスする
相変わらず俺と無関係な人たちが
ひっきりなしにそれぞれ
自分の行く先へ向かって歩いている
戻る   Point(4)